玉川一郎のブログ

ガンダムに学ぶビジネス 第39話『ニュータイプ、シャリア・ブル』

2014年7月24日

おはようございます。今朝は少しお酒が残っていて起きるのがちょっと辛かったかな。昨日は神田昌典さんの50歳記念&コアメンバー懇親会に参加。二次会ではひさびさにカラオケしちゃいました。私は「夜桜お七」と「モーニングムーン」「ガラスの十代(五十代)」。ノリノリの皆さんですごいエネルギーを感じました。

今朝のネイティブ・ガンダム連続視聴は第39話『ニュータイプ、シャリア・ブル』

2014-07-24 09.43.22

ニュータイプ専用機の実戦配備テストが急ピッチで進められる。ララァのエルメスは旧ジオン要塞ソロモン周辺で次々に連邦軍の戦艦を撃破。ニュータイプの素質を見出されたシャリア・ブルはシャアのもとに配属され、ブラウ・ブロでテストに出る。ホワイトベース隊が遭遇し、苦戦の果てにアムロがこれを破壊する。

2014-07-24 09.26.43 2014-07-24 09.26.56 2014-07-24 09.27.07 2014-07-24 09.34.30 2014-07-24 09.37.44 2014-07-24 09.41.16 2014-07-24 09.42.11 2014-07-24 09.42.26 2014-07-24 09.42.41

前の話でいきなり出てきたニュータイプという概念を視聴者に伝えるための回です。ララァの遠隔攻撃には、思念を「ラ・ラァ」という効果音で表現。レビル将軍は頭痛で、ミライはより具体的な予感で、ブライトは漠然とした殺気で、感知します。アムロが大量の情報をイメージの奔流でキャッチする様子を『2001年宇宙の旅』のような光の乱舞で表現します。

2014-07-24 09.27.40 2014-07-24 09.29.14 2014-07-24 09.29.57 2014-07-24 09.30.09 2014-07-24 09.30.43 2014-07-24 09.31.00 2014-07-24 09.31.53 2014-07-24 09.32.05 2014-07-24 09.32.31 2014-07-24 09.32.51 2014-07-24 09.33.00 2014-07-24 09.33.35 2014-07-24 09.33.50 2014-07-24 09.33.58 2014-07-24 09.39.15

作者がどうしても伝えたかったのは、ニュータイプ能力は超能力とは違うというとでしょう。超能力は個別の特異能力。突然変異的なもの。ニュータイプは人類全体が変わる人の革新。

人間が広大な宇宙空間で生活するようになり、遠く離れた人のことを感知する欲求が拡大。そこに無重力による生理的な変化が加わることで、人類の潜在能力が発揮され、認識力、洞察力が高まる。

今回のシャリア・ブルは木星船団帰りという設定ですが、それはより遠くの星まで往復をすることでニュータイプ化が促進したということを示しています。

2014-07-24 09.35.23

これまでネイティブ・ガンダムではアムロという少年が戦争の現実に触れる中でいかに成長するかを描いてきました。戦士として、一人前の男として、成長を果たした姿を見せた先に、なぜ戦争が起こるのか、なぜ肉親や恋人が殺しあうのか、というテーマに取り組もうというのです。

このアニメの舞台は宇宙ですが、遠く離れた人を感知する欲求の拡大は、ネットワークによって世界中がつながっている現代社会のメタファーになっています。地球の裏の人のことを自分の周囲の人と同じように理解する、共感することは、能力の問題ではありません。意識の問題。

中立コロニーのサイド6にいたカムラン、そしてTV局の戦争報道は、そのように他の国の戦争を他人ごとにしか考えられない人を象徴しています。それが作者の考えるオールドタイプ。

2014-07-17 08.27.49

 

2014-07-19 07.17.38

ニュータイプとは地球の裏側の人の気持ちや状況を洞察し、共感する人のこと。その洞察や共感がないことが戦争の原因であるということが、作者が描こうとしたテーマだったようです。

映画『2001年宇宙の旅』やアーサー・C・クラークの『地球幼年期の終わり』は人類の進化を描いています。富野監督はSF映画やSF小説と同じメッセージをアニメで伝えることにチャレンジしました。

それはネイティブ・ガンダムではおそらく失敗しています。アムロの強さ、ガンダムのカッコよさ、そして戦争描写、宇宙描写の緻密さに、多くの人は目を惹かれたのではないでしょうか。

ガンダムに憧れてアニメを作ろうとしたその後の作家たちは、戦争描写はいいけどニュータイプはわからんと、ロボットを使ったリアルな戦争モノを次々に作っていきます。

富野監督以外の作家がニュータイプを語ったのは、先日映画が公開された『ガンダムUC(ユニコーン)』の作者福井晴敏くらいでしょう。アニメの世界ではなく小説の世界の人だったからこそ、そのテーマの大切さに気づいたわけです。

 

 

ビジネスマンの間では5年ほど前に能力開発ブームが沸き起こりました。速読、マインドマップ、心理学、英会話など、さまざまなスキルアップを求めて勉強する人が激増しました。

私自身それを教える講師を当時からやっていますが、ここ最近の雰囲気にやや違和感を感じています。

マインドマップを作ったトニー・ブザンやフォトリーディングを教えるボール・シーリィのメッセージは「脳の可能性は無限大」。いわばガンダムと同じ人の革新、人類全体の進歩を目指しています。

しかし「こちらのかき方の方がいい」「こちらの速読のほうが役に立つ」という能力競争に陥りやすいのが現状です。それは人の革新ではなくスキルの競争。人の革新ではなく自我肥大のように見えます。

ガンダムやエルメスがニュータイプを戦争の道具にしてしまったように、スキルアップは人の潜在能力を競争の道具にしてしまうのかもしれません。

目の前の戦いに勝つのではなく、地球の裏側の人と共感する。スキルアップはその手段であって目的ではない。それをメッセージと自身のあり方そのもので表現していくのが、私たちセミナー講師の役割。そのように思いを新たにしました。

 

 

<今日の学び>

私たちはビジネスで人の革新を表現する役割がある。

地球の裏側の人と共感できる可能性を示していこう。