『日々是好日』でもっと自由な自分になれる
2018年12月28日
おはようございます。玉川一郎です。平成30年12月28日の金曜日。雲ひとつない良い天気。お客様用の布団を干してお日様のごちそうを分けてあげました。
こういう素敵な日に出会うと「日日是好日」という言葉を思い浮かべます。樹木希林の遺作になった映画のタイトル。若い女性がお茶のお稽古を始めてから世の中が別の姿に見えるようになってきたという話で、美しい映像に引き込まれて思わずお茶を始めたくなりました。
原作の随筆がまた秀逸。表現が一言一言練り込まれていて、まさにお茶を点てているような感じです。
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ところが、どういうわけだか拍子抜けするほどスイスイと、お点前できる日があった。自分でもなぜなのか、よくわからない。ただ自然に、無理なくお点前がすんだ。
武田先生が、ニコッと微笑んだ。
「ほらね。頭で考えなければいいの。もっと自分の手を信じなさい」
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これは私が講義をやっている時の気分です。次にあれを話そう、何をしなくちゃ、と考えているときはギクシャクして不自然な話し方になります。
ずっと考えていたことを、自然にその場で思いついたかのように、最高のタイミングで話すのが私の理想。その状態を作るために、同じ講座であっても毎回スライドを全部見直し、違和感があるところを直し、ときにはほとんど作り変えるのです。
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あれほど、「人を型にはめるがんじがらめの世界」だと思っていたのに、実はすべてが自由だったのだ。
個性を重んじる学校教育の中に、人を競争に追い立てる制約と不自由さがあり、厳格な約束事に縛られた窮屈な茶道の中に、個人のあるがままを受け入れる大きな自由がある・・・・・・。
いったい、本物の自由とはなんだろう?
(中略)
・・・・・・学校はいつも「他人」と比べ、お茶は「きのうまでの自分」と比べることだった。
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私も講座の中ではいろいろな型を教えていきます。型に慣れることによって体は自動行動を起こすようになります。自動行動をしているときに脳は自由になりフロー状態が起こる。それが本来の自分のパフォーマンスだということを、知ってもらうのが私の講座です。
ただし「型」といってもレベルがあります。そのメソッドを作った人が、自分でやっているときの順番をステップにしただけのものが多い。それに比べるとお茶の型というのは、年月と数多くの人々の手を通り、そのなかで確立したものなんですね。
できうることなら、私が教えているメソッドも、私の言葉を通る中で、よりよい型になっていくことを願っています。
「きのうまでの自分」より、すこしだけ違う「きょうの自分」を、楽しんでいきます。今日もどうぞよろしくお願いします。
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