ガンダムに学ぶビジネス 第24話『迫撃!トリプル・ドム』
2014年7月8日
おはようございます。昨日の夜は七夕でしたね。東京の天気はあまり良くなかったですが、人と人との出会いの貴重さに心を馳せる日。私も心のなかで家族への感謝を念じました。
今朝早起きして観たファースト・ガンダムは第24話『迫撃!トリプルドム』。ジオン最強の兵士が最新型のモビルスーツに乗って一個小隊でホワイトベースに迫る中、ジェットスクランダー、じゃなくてGアーマーで空を飛ぶガンダムが苦戦し、補給部隊のマチルダ中尉の捨て身の攻撃で辛勝。マチルダは戦死し、ブライトは回復し、ホワイトベースは戦線に復帰する。
新兵器同士がその強さを見せつけながら戦うシーンの演出は冴えに冴えまくっています。アニメの楽しさを存分に味わわせてもらいました。やはり富野監督はロボットアニメのツボを抑えていますね。
そしてこの回に際立って素晴らしいのは人物描写です。恥ずかしながら、私は今朝、ガンダムで初めて涙がボロボロ出ました。マチルダを失ったアムロに感情移入してしまったのです。自分がアムロと同じくらいの年齢だった頃の気持ち、母を交通事故で失った悲しみ、それがこれを見て蘇ってきました。
アニメの最大の弱点はリアリティの無さです。人間とは違う。嘘でしかない。しかしこの作品では安彦良和の作画によって喜怒哀楽に細やかな表情の変化が加わり、それと絶妙なバランスでプロの声優さんの声が重なっています。画面のアムロは目をつむり、寂しそうな表情をしている。涙は見せない。マチルダとの回想シーンがはいり、また表情がアップし、くちびるが微妙に揺らめく。その背後で声優さんによる心の声では悲しみが爆発している。作画と声優それぞれが演技しているのです。
アニメの強みである架空の描写によってロボットの戦いを盛り上げ、アニメの弱みであるリアリティの無さを作画と声優のそれぞれの演技で補う。その絶妙な取り合わせが、ガンダムという作品を35年続くものにしたのでしょう。
ふりかえってみて、強みと弱みの認識とそれに正面から取り組むという姿勢ということで捉えるならば、私たちのビジネスでも同じ構図がありえます。
たとえば私はフォトリーディングやマインドマップの講師として数多くの経験 を持っていることが強みです。ビジネスマンにスキルを教えるのが私の専門性であって、そこでは高いレベルにいると自負しています。
いっぽうで個人営業みたいなものですから、会社として、組織として、契約書的なシステマチックな対応はできないことが弱みです。であれば、杓子定規ではない個別対応をしたり、講師自らメールや電話でお応えしたりすることで、個人の強みを活かし弱みを強みに変えられます。
この投稿を見ている人も、たかがアニメじゃないか、と思うでしょうが、たかがアニメだと思われる弱みを強みに変えたから、日本のアニメが世界的に評価されるようになったのです。
ちなみに宮﨑駿ももちろんこの力を発揮している人です。彼は人間と人間、人間とメカの戦いを描くのを得意としています。富野監督の得意なのはメカとメカの戦いであって、その意味でそれぞれが独自性を持っているわけですね。