イデオンに学ぶコミュニケーション 第24話『潜入ゲリラを叩け』
2014年9月2日
おはようございます。
今日の東京はいい天気です。
これから週末のアクセラメンツ講座の準備、会社の経理、メルマガの執筆など、
細々としたことがいっぱいあります。
窓のカーテンを開けて明るい中でお仕事していきますね。
今朝の早朝アニメ視聴は伝説巨神イデオン第24話『潜入ゲリラを叩け』。
キャラル星3話シリーズの2回目です。
- キャラル星の人々はソロシップのせいで攻撃を受けたと恨みに思っている。
- キッチンはソロシップに早く出て行ってもらうために補給基地スタグラを教える。
- ソロシップはスタグラに着くがキャラル守備隊パーキンソン司令は補給を拒絶。自分たちで星を守ると主張。
- イデオンはギジェのゲリラ隊に乗っ取りをかけられる。
- キャラル守備隊はダラムの戦艦に殲滅させられる。
- コスモらの活躍でイデオン奪回。
- 戦力の殆どを失ったパーキンソン司令は絶望する。
今回は単純な話で長いシリーズの中での一休みみたいな、あってもなくてもいいエピソードです。
初見の時は話の展開を追っていたので、正直ちょっといらついた覚えがあります。
でも再見してみて、サブストーリーだからこそ本線の話では描けないエッセンスが
たくさん盛り込まれていることに気づきました。
一つは「イデオンの巨大感」です。
イデオンは全長105メートルと通常のロボットアニメの常識を超えた大きさ。
例えてみれば宇宙戦艦ヤマトの全長の3分の1、ガンダムの6倍、ビグ・ザムの2倍。
でも敵の重機動メカも同じくらいの大きさのが出るようになって、
戦闘シーンでは通常のロボットアニメとあまり違いが感じられませんでした。
それが今回、ゲリラがイデオンに取り付いたシーンで、
歩行メカのガダッカや人間がイデオンの周りをウロウロするせいで、
イデオンがとても大きく、巨大に見えるのです。
さらにギジェが慣れない操縦でイデオンを動かすとき、
イデオンはゆっくり動く。
そのスピードがまた巨大メカを感じさせてくれます。
この話があることで、イデオンが「手の付けられない大魔神」というイメージになり、
相手に渡った時どれほど恐怖心を煽り立てるかがわかりました。
もう一つ、この話でのキーパーソン、キッチ・キッチンの言動。
彼女はイデオンを、ソロシップを憎んでいる。
でもコスモたちの立場や行動も理解している。
その上で、まずソロシップに出て行ってもらうために、
補給基地を教えて案内するという「行動」に出る。
さらに「イデオンを渡したらいいじゃないの!」と提案。
まさにギャムスの時のソロシップの人々の考えと同じ所に至っている。
その問題解決力は、ただ自分の立場を主張し、こだわり、ソロシップを拒絶するだけの
パーキンソン司令との対比で、際立って見えます。
キッチンの提案にコスモは
「考えたさ…だけど、渡したら俺たち地球人は皆殺しにあう」と応じます。
このセリフではっとしました。
イデオンではこれまでと今後の展開で、論理的にやるべき行動を明確にしていました。
○イデを渡す
→ バッフ・クラン撤退 → 巨大戦力で宇宙を支配(19話)→ 地球に侵攻
○イデを渡さない
→ イデの力で敵を攻める → コントロール不能、暴走(21話、25話)
or
→ イデを破壊する → イデのバリアーで破壊不能(36話)
or
→ 逃げる → イデの力で相手を引き寄せる(38話)
第三の道は、イデを共有する。そのための対話をする。
それくらいに限られてきます。
きわめて論理的な展開になっていたことに、このキッチンの言葉で気づくことが出来ました。
そして、その論理的な結論を人々はなぜ受け付けないのか、
というのはイデオンのテーマでもあります。
パーキンソン司令 「キャラルは、我々の力で守る。市民による予備隊だっているんだ」
ダラムの攻撃で壊滅する予備隊を見て パ「キャラルに残っている戦力はあんなものではない!」
キッチン「どう信じるのもかまいませんけど、キャラルは全滅しているんです!」
パ「しかし、お嬢さん、軍人たる我々は…」
見たくない現実から目を背け、都合のいい情報のみを信じる。
現実に直面しても、自分の立場から、それを受け入れた思考、行動を取らない。
それが人間である。
そんな人間が分かり合えるニュータイプになれるわけがない。
では…?
それを追求していくのがこの作品です。
しかもそれがモチーフ、舞台、味付けで入っているのではなくて、物語の主題になっている。
今でこそアニメオタクがいて、青年、中年が観るものになって、
そのようなテーマもありになっています。
しかしこれを子ども向けと思われていた当時に
子供向けアニメでやったところに、
富野監督の凶悪さがありますね。
<今日の学び>
現実を見ても、証拠を見ても、人は信じない。
それは愚かだからではなく、人間だから。
それは批判するべきものではなく、理解するべきもの。
『伝説巨神イデオン』(c)東急エージェンシー・サンライズ