ガンダムに学ぶビジネス 第32話『強行突破作戦』
2014年7月16日
今朝のネイティブ・ガンダム連続視聴は第32話『強行突破作戦』。宇宙に上がったホワイトベースを追うザンジバルのシャアが、かつての部下ドレン率いるキャメル艦隊に挟撃作戦を持ちかけます。ムサイ3隻の艦隊と6機のリックドムの圧倒的な戦力でホワイトベースに攻撃をかけるドレンは、ブライトの的確な指揮、ミライの直感的な操艦、カイやセイラの熟練の攻撃、そして圧倒的なアムロのガンダムの力で瞬殺されます。ザンジバルを振り切るためにホワイトベースは中立国のサイド6へ向かう、というお話。
前話の最後でホワイトベースのクルーが戦闘終了後シャワーを浴びに行く、とあったのですが、今回ブライト艦長が「さっきシャワーに行った連中はどうした?」という問いかけで話がつながっています。クルーに休息を取るように指示をしながら、それぞれのコンディションで出撃を指示ししていく。
そう、ここは宇宙。昼も夜もなく、宇宙空間にいる限り常に戦闘待機状態なのです。クルーは休める時に休み、戦えるものが戦う。無重力下では休息時もベルトをしないと浮いてしまう。真空空間なので戦艦もブリッジを切り裂けば空気が抜けてイチコロ。アムロは正面からではなく、敵艦隊の相対的な上側から死角をついて攻撃しますが、これもまた上下左右という三次元空間を感じさせる描写です。
前回の大気圏離脱、強烈なGがかかった時のパイロットの状態などの描写と合わせて、スタッフは過去のアニメではなく、NASAのデータや映像を参考にしているようです。
富野監督はアニメーター志望の若者に向かって「アニメを見るな。演劇を見ろ」と言いました。アニメを見てアニメを作れば、どんどん狭い世界、ひとりよがりの同じ業界でしか通用しない作品になってしまう。実際に今のアニメの多くが、アニメとしては凄いけど、一見さんお断り、業界内、コアなファンにしか評価されないものになっています。
ビジネスでも同じ。なんらかの資格を持つと、同じ資格を持っている人ばかり気にする。誰それがこんなルール違反をやっている。誰それが抜け駆けをした。自分のほうがうまい。上の資格を持っている。そういうことを言う人が多くなると、市場は一見さんお断りになっていき、コアなファンだけがついていくようになり、どんどん縮小していきます。
いかに自分の業界以外と接するか。それを自分の業界にいかに取り入れていくか。そこに市場の広がりのチャンスがあります。機動戦士ガンダムはロボットアニメを小学生のおもちゃ市場からSF好きの中高生へと広げ、さらにプラモデルを卒業した中高生、大学生をガンプラに熱狂させる、という形で市場を爆発的に拡大させました。
80年代に韓国で速読法のブームがありましたが、速読を身につけると兵士の射撃成績が向上する、ということで軍隊で速読研修が採用されたことがきっかけだったという話を聞きました。日本では経済評論家の勝間和代氏が速読を紹介してキャリアップ市場と結びついてブームになりました。
自分の業界がどこと結びつくか、というより、自分が他にどんな世界とつながっているか、こだわりを持っているかが、市場を変えるきっかけになるのです。
<今日の学び>
自分(スタッフ)ならではの、業界外の商品(作品)に対するこだわりが、自分の市場を激変させる。