イデオンに学ぶコミュニケーション 第2話『ニューロピア炎上』
2014年7月31日
おはようございます。今日は午後からマインドマップ無料公開講座とフォトリーディング無料説明会。昨日マインドマップ・フル活用2日間講座を終えて、受講生の皆さんと亀戸駅前のホルモン専科ちゃんで懇親会。どれを食べても美味しいと喜んでいただけました。講座の日々がつづきますが、ホルモンパワーで今日も全力でがんばります。
今朝は伝説巨神イデオン、第2話『ニューロピア炎上』を観ました。
- バッフクラン人イデ捜索隊隊長ギジェ・ザラルは軍総司令ドバの娘カララのフィアンセ。ソロ星に移民した地球人との戦闘で行方不明になったカララを救出すべく、戦闘機隊を編成しソロ星を攻撃。
- ソロ星の戦闘機、基地が破壊され、兵士、民間人が次々に死んでいく。 謎のメカ、イデオンは不可思議な分離、合体を繰り返す。ギジェ隊の攻撃はことごとく通用しない。
- 避難民の子どもたちが乗り込むと急にパワーが上がりギジェ隊を撃破。追撃しようとするとパワーダウン。
- 生き残った人々は第2発掘現場へ逃げ込む。そこにある謎の建造物はイデオンと同じスケールであることに気づくシェリル。
というわけで、謎また謎の第2話です。壮大なストーリーが幕を開けようとしているのはわかるのですが、どうにもセリフの一つ一つが癇に障る。
「言語学者の卵が何をやっていたんだか」
「私たちの基礎調査がなければ何もできないくせに」
「ルゥを泣かせるな。うるさいんだよ。気が散ってうまくいかなかったらみんな死ぬんだぞ。黙らせろ」
どれもこれも、自分はがんばっている。相手はがんばっていない。自分を理解していない。他人を非難する言葉の応酬。
描こうとしているのは異星人とのファーストコンタクト。異文明とどのように接触し、関係ができていくかです。地球人とバッフクラン人はほとんど同じ姿格好をしていますが、お互いを理解しようとしないまま戦いが拡大していきます。そして地球人同士もまた、お互いを理解しようとせず、自分の立場を主張し、非難しあいます。
つまり、バッフクランと地球人は文化が違うからではなく、相手を理解しようとしないから、対立に至ったわけです。お互いを理解しようとしない地球人同士もまた、激しくいがみ合っていきます。
その一方、偶然森のなかでバッフクランのカララと地球人のベスが出会います。
ベスはカララを異星人だとは思わず、第三次移民団の人と思い込みます。笑顔や口調で必死に意思疎通をはかろうとするベス。カララはグズラウ製の翻訳機を耳に入れているので、それでベスの言葉をかろうじて理解。
「ベス、いい男」
「こんなときでなきゃ(デートするのに)」
とお互いに好意を持ちます。
そうか、最初からこのように出会っていれば、地球人とバッフクラン人は戦うことはなかったんだ。私は今回イデオンを見なおして、この何の変哲もない一シーンこそに、イデオンのテーマがあったことに気づきました。
なぜカララを追ってきた兵士はいきなり攻撃してしまったのでしょう。なぜギジェ隊長は異星人に連絡を取ろうとしなかったのでしょう。
「異星人(=異文化間)とは分かり合うことができない」
その思い込みがあったからです。それは現在の日中、日韓、そしてロシア−ウクライナ、キリスト教−イスラム教の関係と同じです。
機動戦士ガンダムの「ニュータイプ」は語り合うことなく地球の裏側の人とも完全に理解し合える人類の進化形を描きました。進化すれば人類は分かり合うことができるのだ。さあ、みんなで進化しよう。
そんなガンダムを真っ向から否定するのがイデオンです。
理解する能力があるから、理解できるから対話するのではない。まず相手と分かり合おうという意思を持つ。その上で対話し、理解できる糸口を探す。それが相互理解に至るための唯一の道である。
知らない相手なんか分かり合おうと思いたくない。理解しあわなくていいと思うかもしれない。しかし相手と分かり合おうという意思を持たなければ、それは争いとなり、お互いに滅びる。
イデオンは最終的に地球人とバッフクラン人とのすべてが滅亡して終わります。あまりに救いのない結末ですが、それは相手を理解しようという意思がなければ私たちは生きていくことができないということを、作者は語ろうとしていたからでしょう。
<今日の学び>
理解は能力ではなく意思。
理解する意思は生存する意思と同じ。
『伝説巨神イデオン』(c)東急エージェンシー・サンライズ