玉川一郎のブログ

イデオンに学ぶコミュニケーション 第7話『亜空間脱走』

2014年8月6日

おはようございます。今朝は目覚ましが鳴る15分前に起きました。寝苦しい夜で、暑くて冷房を付けに起き、冷房が寒くて消すために起き、を繰り返した挙句、朝は早く起きてしまいました。体調管理に注意しなければいけませんね。

今日は全脳思考をリニューアルしたフューチャーマッピングのベーシック講座をトライアル開催します。今までの全脳思考イントロダクション講座と見え方が違ってくるよういろいろ工夫しています。どのような反響になるか楽しみです。

 

 

今朝の早朝アニメ鑑賞は伝説巨神イデオン第7話『亜空間脱走』。作画が乱れていて演出や脚本も噛み合わない残念な回です。

  • ギジェはソロシップに交渉を持ちかけるが、人質のカララを返却する条件は話にならないとベスやシェリルは一蹴する。

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  • 交渉失敗を受けてアバデデはカララ救出を断念し、ダミドにソロシップの攻撃を命じる。

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  • 熾烈な攻撃に見捨てられたことを悟るカララ。マヤヤはカララを助け出すべく脱出を図るが失敗し死亡。

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  • ダミドの攻撃によって危機に落ちたカーシャ。再びソロシップの反物質エンジンが始動してイデオンメカを収容し、亜空間飛行に入る。

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  • 亜空間でギジェが重機動メカ、ドグ・マックでソロシップを攻撃。イデオンはこれをかわすが、アバデデの戦艦ガタマン・ザンがソロシップを攻撃し、追い込まれる。

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  • 亜空間飛行を緊急解除し通常空間に戻って逃げる。そこは地球型の惑星がある知らない恒星系だった…。

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今回はイデオンのスケールに合う敵メカが初めて登場します。巨大なクレーンにロケットエンジンを付けて、目から砲撃をするという様相はいかにも宇宙人来襲という感じ。ステレオタイプな宇宙人メカです。

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これは低視聴率でテコ入れするときのロボットアニメの典型的なパターンです。初回から7%程度の視聴率だったのがジリジリ落ち、前回では4%台になってしまいました。

スポンサーから見てこのアニメの問題点はわかりにくいことにあります。そこで、余計な要素を外し、わかりやすい戦いを作る。それで登場人物を整理するためカララの従者のマヤヤを死亡させます。カララを救出するという戦いから、敵を倒す戦いへ。そして宇宙人らしいロボットを登場させた。

 

 

急速な方向転換は現場を混乱させています。ここまで積み上げてきた情感を断ち切るような展開はシナリオや演出を乱れさせ、作画を迷わせていて、きわめて低レベルの話になってしまいました。

皮肉なことにこの回で視聴率は持ち直し6%台へ。でもこれは今回の話が良かったからではなく、前回の『裏切りの白い旗』のレベルが高かったから、今回も期待して観たって感じでしょう。実際に次回はいよいよ3%台へ突入します。

 

 

これはゆとり教育の時の文科省のちぐはぐな対応によく似ています。

ゆとり教育導入後のOECD諸国統一学力テストPISAで成績が一気に落ちた。そこで「ゆとり教育はよくない」ということで方向転換し、ゆとり教育をやめることになりました。

ところがいったん作った方向を変えるのは時間がかかります。ゆとり教育の最後の年に行われたPISAでは成績が回復していますが、そのままゆとり教育は放棄され、今に至ります。

 

 

日本に先駆けてゆとり教育を導入したフィンランドではPISAでトップの成績です。フィンランドでは、生きる力を伝える教育をするために、教科書の量を減らし、現実に起きている現象を題材にして指導していくことにしました。

現実の多様性に対応するため、教師はより広い知見を学ぶ必要があるということで、大学院卒業を必須にします。指導に専念できるように、学校運営、部活は先生の仕事から外され、先生も生徒と同じ時間に登下校できるようにしました。

フィンランド型の教育が一番いいかどうかはわかりません。PISAの得点レベルが高いと言っても、そもそも人口数が日本とフィンランドではまるで違う。PISAで成績の良い国は人口の少ない国である傾向は顕著です。

ゆとり教育の是非はさておき、フィンランドに学ぶ点は別にあります。それは大きく方向性を変えるためには時間が、準備が必要だということです。早急に結果を求めては新しいものは生まれない。

 

 

富野監督はガンダムの時、合体メカを出し、敵メカを増やし、おもちゃメーカーの要望を満たしながら、次第に自分の表現したいものを表現できる状況を作っていきました。

あのプロセスに学んでいるはずの富野さんが、またもや同じ苦境に陥っている。ガンダムでは初回からハードなSFファンは支持していましたが、今回は何を描こうとしているかが伝わらず、おそらく視聴者の支持も得られていません。

富野さんは早急に全く新しい世界を描こうとし、スポンサーはおもちゃが売れるように望み、テレビ局は視聴率が上がることを期待する。それらが最終的にまったく折り合うことができなかったのがイデオンです。

イデオンでは徐々に妥協がなくなってきます。もう売れなくてもいい。もう視聴率が取れなくてもいい。そのように見切っていったとき、アニメにおいて未だかつて得られたことのない奇跡の表現が生まれていくのです。

 

混乱した一話もまた、私にとっては今後への楽しみです。

 

<今日の学び>

結果はすぐには出てこない。

でも最初から諦めては何も生まれない。

徹底的にもがき、あがいた後、新しい世界が生まれる。

 

『伝説巨神イデオン』(c)東急エージェンシー・サンライズ


  • 玉村一郎のプロフィール
  • セミナー講師。マインドマップ(学習法)、フォトリーディング(読書法)、フューチャーマッピング(目標実現法)、ジーニアスコード(創造的問題解決法)、アクセラメンツ(加速教授技術)などを教えています。
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