玉川一郎のブログ

イデオンに学ぶコミュニケーション 第13話『異星人を撃て』

2014年8月12日

おはようございます。昨日は久しぶりに新宿の日本酒のお店に友人と行きましたが、うちらしかお客さんいませんでした。夏も中盤。今週はお盆休みの方も多いのでしょうね。私は明日がマインドマップ公開講座、週末はマインドマップ・フル活用2日間講座と仕事三昧です。今日も準備でがんばらなきゃです。

今朝の早朝アニメ視聴は伝説巨神イデオン第13話『異星人を撃て』。TVアニメで13話は1クールといって一区切りになります。今回は憎しみの一区切りというところでしょうか。

 

 

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  • カララは姉のハルルと決別し、バッフクランに戻れなくなった。ソロシップのクルーに溶け込もうと努力する彼女を、肉親の仇として許せない少女バンダ・ロッタがピストルで彼女を殺そうと付け狙う。

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  • バッフクランから逃げ切るためにスターダスト群のニンバスゾーンを突っ切るソロシップを、名誉をかけた最後の戦いに臨むグハバが追うが、コスモの意表をつく戦い方によって撃破される。

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  • カララはロッタの憎しみを受け止め、彼女による処刑を受け入れる。ロッタはピストルを何発も撃つが当たらず、弾がなくなり泣き崩れる。

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私たちは憎しみや恨みは消さなければいけないと考えます。理性的であらねばならない。論理的に正しくあろうとします。しかし自分が誰かを、何かを、憎むとき、恨むとき、それは決して簡単ではないことに気づきます。

東野圭吾の小説『手紙』では、刑務所に入った強盗殺人犯が毎月謝罪の手紙を遺族に書き続けます。遺族は何年たっても許すことはできない。ずっと憎しみ続ける。果たして私たちは、肉親を惨殺した殺人者を、何度謝罪をされたら許せるでしょうか。そして許せなかったらどうすればいいのか。遺族感情という言葉が死刑制度廃止論の中でよく出てきます。では死刑をすれば遺族感情は晴れるのでしょうか。

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筒井康隆の短篇集「家族場面」の中の『天の一角』という小説には、死刑は遺族が執行するという制度になった世界を描きます。肉親を殺された家族が刑場に向かい、誰が執行のボタンを押すかでもめにもめ、ようやく押したがうまく働かず、子どもに死刑囚の足を引っ張らせてやっとの思いで殺すことができる。そして帰る家族は一生このトラウマから逃れることができない、という話です。

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それと同じテーマを扱ったのが、イデオンの今回の話です。

ソロ星にバッフクランがいきなり攻撃をかけてきて、肉親が殺された少女のバンダ・ロッタ。カララ自身が殺したわけではないが、カララはバッフクランであり、攻撃のきっかけを作った張本人でもある。

これまでカララは異星人として監視対象であり、行動は規制されてきた。それが前回の話でバッフクランにもいられなくなり、ソロシップの中にはカララに同情して仲間として受け入れる人が増えてきた。

ロッタは異星人を許せない。異星人を受け入れることは死んだ肉親に申し訳が立たない。だからカララをつけ狙い、撃ち殺そうとする。

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カララは「でしょうね。(あなたの気持ちは)わかります」と言う。

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ロッタは「わかるものですか!なら死んでください。恨みを晴らさせてください」

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「お撃ちなさい、バンダ・ロッタ」と銃口に身をさらすカララ。

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ロッタは何発も撃つ。でもカララに当たらない。

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なぜ当たらないか。それは狙っている相手が異星人ではなくカララという人格だからです。

 

 

憎悪は過去の出来事に対して起こるもの。殺人した過去の瞬間を捕らえて相手を殺人者と思う。でも今目の前で殺人しているわけではない。異星人は殺人者。それは概念であって、過去の記憶をダウンロードしているのです。

カララの潔い姿を目の前にしたとき、そこにいるのは鬼でも悪魔でもなく、一個の人格を持った、しかも非常に精神性の高い、一人の立派な人間であることを、バンダ・ロッタは見て、聞いて、感じます。

それを撃ち殺すのは、殺人です。ロッタは殺人者にはなれなかった。だから弾を当てることができませんでした。

 

 

「弾がなくなっちゃった。弾がでないよう」とロッタは泣き崩れます。

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憎悪という感情は、自分が殺人者になるという苦しみで打ち消されてしまいました。憎悪できなくなった自分が悲しくなって、死んだ家族に申し訳なくて、彼女は泣き崩れた。

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イデオンではロッタは撃つ前にカララと対話しました。そしてごんを撃ち殺した兵十にならないですんだのです。

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ベスはカララを愛することで憎しみがなくなりました。憎悪を消す方法のひとつが愛することであるのが前回描かれたのですが、憎む相手を愛することは想像できないし、実際には難しいことでしょう。

今回はもうひとつのソリューションを示します。それは相手と近づき、対話する。目で見て、声を聞いて、人として、一つの命として感じる。過去のダウンローディングをやめ、プレゼンシング(今この場にフォーカスすること)する。

そう、ここからイデオンのテーマは「対話」となっていくのです。

 

<今日の学び>

憎しみは自らを傷つける。

憎しみから逃れる方法は、憎んでいる相手と対話すること。

相手と近づいて相手を一つの命として感じることしかない。

 

 

『伝説巨神イデオン』(c)東急エージェンシー・サンライズ


  • 玉村一郎のプロフィール
  • セミナー講師。マインドマップ(学習法)、フォトリーディング(読書法)、フューチャーマッピング(目標実現法)、ジーニアスコード(創造的問題解決法)、アクセラメンツ(加速教授技術)などを教えています。
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