イデオンに学ぶコミュニケーション 第14話『撃破・ドク戦法』
2014年8月13日
おはようございます。お盆に入り夏休みの方も多いでしょうが、私は今日はマインドマップ無料公開講座です。休みでないと受講できない方もいるかと思って日程を設定したのですが、結構多くの方にご参加いただける予定です。(まだ2〜3席はありますのでご希望の方はこれからでもお申込みください)
今朝の早朝アニメ視聴は伝説巨神イデオン第14話『撃破・ドク戦法』。イデオンの中ではお気に入りのエピソードで、この話を観た時から夢中になった思い出の回です。
- ジグ・マックを開発したジルバル・ドクが援軍としてハルルに合流。初戦でコスモのイデオデルタを危機に陥れる。
- コスモを救出したソロシップはアンドロメダ方面最前線基地ブラジラーに逃げ込む。カミューラ・ランバン司令はベスの幼年学校の女教師だった。彼女は恐怖で自失しているコスモを、別れた我が子のように思い、心を癒やそうとする。
- ドク隊がブラジラーを攻撃。コスモをソロシップに送る途中、カミューラは目の前で絶命。コスモは衝撃で自分を取り戻し、悲しみを怒りに変えてドク隊を撃破する。
キャロル・ピアソンの『英雄の旅』によると、神話は三幕構成になるといいます。自己のエゴの確立、自分の限界に挑むソウルとの出会い、新しいセルフの誕生。
イデオンで劇中で語られるのは善き心、そしてエゴです。イデは精神エネルギーでその質は心の質に依存する。エゴが中心だと弱くなる。
しかしエゴが悪いものではありません。エゴは旅へのパスポート。旅立っていいという客観的な証拠を手に入れるプロセスです。それがお金だったり名声だったり資格だったりしますが、いずれも本当に必要な物を得るための手段です。
エゴを確立するプロセスは四段階にわかれます。その象徴は幼子、孤児、戦士、世話人で表されます。力ない守られる存在が、守りから離れて一人で放り出され、必死に生き延び、他者を守る力を得るに至る。
イデオンでは最初はソロ星で安らかに暮らしていた人々(幼子)が、突然の異星人の来襲によって投げ出され、誰も守ってくれない(孤児)宇宙へ逃げ出します。
話としては王道を進んでいたのですが、これまでの展開ではそれを群像劇でやっていたので、感情移入がしにくかった。それをコスモという主人公を使って再体験したのがこの回です。
これまで強い男の子としてコスモは闘いぬいてきた。今回の冒頭で死にかけたコスモは恐怖に取り憑かれ、母性を持ったカミューラの保護で精神は幼児退行する。
目の前でそのカミューラが絶命したとき、コスモは守りを失い放り出された状態になる。自分を取り戻し、怒りに燃えて敵を撃退し、カミューラの死に泣き叫ぶ。
まさしく幼子から孤児へのプロセスです。
30分アニメではオープニング、前半Aパート、CM、後半Bパート、予告&エンディング、という構成になります。前半の終わりと後半の始まりにアイキャッチャーが入りますが、これまで「IDEON」の文字だけでした。今回からその「O」の中に「space runaway(宇宙逃亡)」が入りました。
これは今回から孤児として逃亡し続ける話になることを示しています。
私がこの話からイデオンにのめり込んだのは、このプロセスが非常にわかりやすくなって、物語に感情移入できるようになったからなのでしょう。
さらに今回は、マジンガーZからのロボットプロレス、ガンダムの兵器運用と違った、105メートルの巨大メカ、イデオンならではの戦闘が確立しました。殴ったりけったりするのではなく、移動型のミサイル要塞として見立てる。敵の中央で一斉発射し、敵部隊を壊滅させる姿は初めて観た時興奮で身震いしたのを覚えています。
ここからイデオンはどんどん目が離せなくなっていきます。次に感激した『アジアンの裏切り』まで待ち遠しくてたまりません。
<今日の学び>
人生は自分の可能性の旅。
旅を歩むにはエゴも必要。
エゴは目的ではなくパスポート。
『伝説巨神イデオン』(c)東急エージェンシー・サンライズ