イデオンに学ぶコミュニケーション 第17話『激闘・猿人の星』
2014年8月25日
おはようございます(今朝書いたんですが、アップがすっかり遅くなっちゃいました)。
週末は表参道のアクションセンターにて<アクセラメンツ講座>を担当しました。
アクセラメンツとは超記憶を起こす教育法。
通常の5〜10倍の単語が覚えられるロザノフ博士の研究をベースに、
学力の限界を突破するノウハウを フォトリーディング開発者ポール・シーリィ博士が体系化したものです。
これは通常のスキル単品のセミナーとは違い、
教育や学習における知見を総合的に学べる【社会人のための教育学部】です。
特に今回は私とKNOWS 教育研究会の村田孝二理事長とのダブル講師。
私のビジネス・セミナーの知識、経験と、
村田先生の教育現場で活躍した長年の知識、経験を注ぎこんだ
真剣勝負の講座を繰り広げています。
全4日間の講座でまだ2日目が終わったところですが、
すでに「凄い講座だとは聞いていたが、これほどとは思わなかった」と
参加者からお声をいただきました。
2週間後の後半戦に向けて、さらに頑張っていきますね。
さて、今朝の早朝アニメ視聴は伝説巨神イデオン第17話『激闘・猿人の星』。 すっかりストーリーとして、作画として、手馴れてきたイデオンらしい回です。 今回は第1話からイデオンを追っていたギジェ・ザラルが復活します。
- 始まりの星ロゴ・ダウの調査からギジェが帰ってきた。
- 3人の士官を失いギジェに期待するしかないハルル。
- 猿人の星に逃げ込んだソロシップではルゥがはしかにかかり苦しんでいる。
- ギジェはロゴ・ダウで発見した粒子を使ってイデオンを苦しめるが イデのパワーの前にまたもや敗退。離脱。
- はしかのワクチンを求めて移民星アジアンへ向かうソロシップ。
この星には類人猿が生息します。
彼らはイデオンの戦いを見て、最後に「道具」を手にします。
これは『2001年宇宙の旅』の冒頭をモチーフにしている、 というかパクリそのものです。
『2001年』では人類の進化の転換点にモノリスという黒い板が現れます。
作者はイデオンがモノリスであると訴えているのでしょう。
イデオンに触れて、類人猿たちは人類への進化の一歩を踏み出しました。
この戦いの中でイデオンに触れているバッフクランとソロシップの人々もまた
進化することを求められているわけです。
イデオンの登場人物は3つに分かれます。
(1)無限力と呼ばれているイデを得たい、 あるいはイデオンを倒して名声を得たいという havingを求める人々。
ハルルを筆頭に、グハバ、ドク、ダミドがこれにあたります。
イデを得ることで「エゴ」、他者承認を得ようとしている。
そしてそれがどうしても得られないことで苦しみ、あるいは死んでいく。
(2)イデとは何なのかを知りたい、 そのために行動をするdoingの人々。
その代表がギジェであり、シェリルもそうでしょう。
イデを知ることで「ソウル」、自らがなぜここにいるのかを問いかけ
自己の存在を確認するために時として逃げ、時として立ち向かいながら
試行錯誤を繰り返していく。
(3)イデに触れて、自分のあり方を問いかける beingを追求する人々。
今の時点ではカララ、そしてベス、 もしかするとコスモやカーシャもそこにいるかもしれません。
イデに触れたことで「セルフ」、自分はどう生きるべきなのかを 問いかけ、あり方を模索していく。
富野監督が考える進化とは、 (3)のセルフを模索し、それを上昇する輪にしていこう、 ということです。
しかし富野監督=イデは人類への絶望を感じている。
バッフクラン、地球人には進化が望めないのではないか。
であるならエゴが目覚める前のパイパー・ルゥを守り
最初から新しいセルフを植え込むしかないかもしれない。
今回の戦いではイデオンはパワーダウンします。
ルゥがはしかで苦しんでいるからエネルギーがないというより
彼を救うためにイデが巨大なエネルギーをつぎ込んでいて
イデに余裕がないのです。
富野さんがなぜにここまで絶望を描くのか。
それはガンダムでニュータイプという希望を描いた反動です。
どんなに私たちがニュータイプと遠い存在なのかを見つめなおし、
ニュータイプへの道のりがいかに遠いかを確認しているのでしょう。
そしてその絶望はZガンダムで究極に辿り着き
ガンダムZZでようやく癒やしを得る。
でもそれはまだ先の話。
イデオンでは、絶望しながらも
「それが人間なんだ!」と開き直りながら
進化せざる人間としていかに生きるかを問いかけていきます。
その開き直りと、人間の哀しさに対するやさしい視点が、
私がイデオンが好きな理由かもしれません。
<今日の学び>
究極の絶望には、希望がある。
絶望を味わった人間は、優しくなれるかもしれない。
『伝説巨神イデオン』(c)東急エージェンシー・サンライズ