イデオンに学ぶコミュニケーション 第20話『迫撃・双子の悪魔』
2014年8月28日
おはようございます。
今日の東京はとても涼しいです。猛暑と荒天の夏もまもなく終わりですね。
昨日はマインドマップ公開講座、フォトリーディング説明会を実施。
両方に参加した人が、最初マインドマップに出て「これはとても使えそうですね」、
それがフォトリーディングに出ると「これはヤバイですね」とびっくりしていました。
とんでもないものを同時に教えて悩ませてすみません(汗)
これから午後2時からダヴィンチカフェにて『人生の春夏秋冬ベーシック講座トライアル版』。
私が教えている講座の中で最も戦略性の高いものです。
今日は新しいチャレンジもたくさん入れています。
どのような成果が出るか楽しみです。
今朝の早朝アニメ視聴は伝説巨神イデオン第20話『迫撃・双子の悪魔』。
作画やシナリオにアラが目立って、初見の時はトホホな気分になった回です。
- カララがイデの実在の証拠を語る。
二年前からバッフ星に巨大な流星が12,3個降り注ぎ、莫大な被害が出ていた。
その方向にあったのがイデオンが発掘されたソロ星だったという。
- ブラジラーで収集した情報によると地球にも同じ数の流星が降り注ぎ、ニューヨークが壊滅しているという。
- ハルルはバッフ星に帰国することを決める。ギャムスに手土産としてカララの首を要求する。
- ギャムスはバッフクラン最強の兵士、双子のブフ兄妹とともに全戦力をソロシップとイデオンに差し向ける。
- 激しい攻撃に恐怖するルゥ。それに連動するようにしてイデのエネルギーは爆発的に増大。
- 巨大なイデの力を目の当たりにし、このままでは滅ぼされると恐怖するハルル。コントロール出来ない力を手にしていることで途方にくれるソロシップの人々。
今までイデオンとソロシップを動かしていた謎のエネルギー・イデは、
せいぜい原子力か太陽エネルギーのようなものと思わせていたのが、
この話で「巨大な流星を発生させる力」という新しい定義づけがなされます。
超能力兵士である双子のブフ兄妹は、
おそらくガンダムのニュータイプ、アムロ・レイのメタファーでしょう。
最凶の猛将ギャムスが、最強の兵士を使っても、どうにも叩けないことを見せて、
「どんなに攻撃を加えても損傷を与えることが出来ない防御力」
という恐怖がバッフクランに植え付けられます。
巨大な力は、それが自分に差し向けられたら?という恐怖を増大させ、戦いを拡大します。
力が強ければ相手が諦める、もっと力を増やそうと、現実の国々は考えます。
が、イデオンでは力が強ければ強いほど、どうにかしないと滅ぼされると恐怖から
戦禍を拡大すると描いています。
こうしてみると、実はこの回の話、かなり重要なメッセージを持っているのです。
しかし脚本が甘く、超能力兵士である双子のブフ兄妹の強さをまったく表現できていない。
作画がひどく、ブフ兄妹の顔にまったく個性が感じられず、ただのモブキャラになってしまっている。
イデの力のいままでにない発動は、演出的に目新しさが感じられず、そんなにびっくりするようには見えなかった。
などなど、突っ込みどころ満載。
アニメファンとしてはどう観ても駄作で、早く口直しをしたくなり、二度と見たくない、忘れたい回なんです。
それが今の視点で見ると、非常に重要なメッセージを持っていたことに、改めて驚いています。
いかに重要なメッセージを持っていても、いかにその内容に価値があっても、
「表現力」が伴わないとうまく伝わらない。
私たちは仕事で、商品で、まず高い価値を提供しようとします。
しかしパッケージや、ダイレクトメールや、応対などの細部に不備があると、
その価値が伝わらず買ってもらえない、売れない。
だからセールスレター、セールストーク、コピーライティングをうまくやろう。
マーケティングでうまく売り込もう。
それはおそらく正しい考え方です。
ただしここでのポイントは商品に「高い価値」があるかどうか。
もし価値がない商品であれば、マーケティングで売れてもいずれ無価値さが露呈してしまう。
そしてビジネスでもっとも重要な信用を失います。
イデオンは未熟な表現の回があります。
それでも私の生涯ベスト3のアニメを上げろと言われたら、おそらくガンダムは入ってこない。
必ずイデオンが入る
(あとは『未来少年コナン』と、うーん、『エースをねらえ!2』、『あしたのジョー2』、『魔女の宅急便』、、、悩む)。
明らかに、イデオンには表現以外の価値があったからです。
それは富野喜幸という男が40代で得た人生の学び、考察、経験を、
おそらく素のままでぶちまけたのがイデオンだから。
イデオンを改めて見なおしてみたとき、
50歳になった今の自分ですら当時の富野さんに追いついているか不安にさせられます。
<今日の学び>
表現に逃げていないか。
価値を創造しているか。
そしてその価値を創造するに足る自己を鍛えてきたか。
『伝説巨神イデオン』(c)東急エージェンシー・サンライズ