イデオンに学ぶコミュニケーション 第31話『故郷は燃えて』
2014年10月19日
伝説巨神イデオンの連続視聴の第31話『故郷は燃えて』です。
イデオンでは富野監督がメモを書いて、それに合わせて脚本、絵コンテが作られるというプロセスになっています。
この話は富野メモがなく、脚本家のオリジナルストーリーということです。
そのせいか、台詞回しが妙に古風で、洗練されていません。
作画の昆進ノ介という人も全39話中、唯一の担当でキャラクターが崩れています。
あえて言うなら、ハズレの回です。
しかし意味のある失敗作でもあります。
おそらく意図的にこの話数では手を抜いています。
この話以降、イデオンのボルテージはどんどん上がっていきます。
脚本、作画、まさに暴走するのです。
スタッフの潜在能力を発揮するための「溜め」、助走として、捨ての回が必要だったのでしょう。
作画と脚本は低調ですが、演出の滝沢敏文はこの後映画版の監督を担当する人です。
彼はこの限られたリソースの中で、イデオンの無限力の表現として「金色の発光」を生み出します。
そしてラストシーンで名曲「コスモスに君と」2番の歌詞を流し、イデオンのテーマとエモーショナルな連動を作り出します。
彼にとってこの回の演出は成長プロセスにおいて必要不可欠だったのではないでしょうか。
初放映時にはがっかりしたこの話。
今では最後の5分はまた観たいとも思えるようになりました。
<今日の学び>
あえて失敗してみよう。
勇気ある失敗は可能性を広げる。